カラダにいいこと

砂糖抜き生活を始めたフランス在住日本人のブログ

脳内糖尿病とアルツハイマー型認知症

脳内も糖尿病になるものなのか?


2013年5月7日 日本経済新聞より抜粋

九州大の生体防御医学研究所(福岡市東区)は7日、亡くなった88人の脳を解剖した結果、アルツハイマー病患者は、脳内の遺伝子が糖尿病と同じ状態に変化することが判明したと明らかにした。
同研究所の中別府雄作教授によると、血糖値を調節するインスリンが脳内で働く仕組みを解明し、糖尿病状態から回復させる方法が分かれば、アルツハイマーの進行を防ぐことができる可能性があるという。

中別府教授らの研究チームは、福岡県久山町と協力した調査の結果、糖尿病を患うとアルツハイマー発症率が3~4倍に高まる点に注目。65歳以上の88人を解剖すると、脳が萎縮するなどアルツハイマーを発症した人が26人いた。

さらに約40人の脳の遺伝子解析にも成功。アルツハイマー発症者は、糖代謝を制御する遺伝子や、インスリンを作る遺伝子が激減、脳内が糖尿病状態になっていた。
また、糖尿病患者は脳内の代謝が悪いため、神経細胞が死んでアルツハイマーの発症や進行の危険因子になることも判明した。

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2019年4月12日
国立研究開発法人 日本医療研究開発機構 のプレスリリースより抜粋

タイトル:2型糖尿病に於けるインスリン抵抗性がアルツハイマー病脳のアミロイド蓄積を促進するメカニズムを解明

発表者
若林 朋子(東京大学大学院医学系研究科 認知症先進予防治療学寄付講座 特任助教
山口 一樹(東京大学大学院医学系研究科 修士課程2年生(研究当時))
松井 健太郎(東京大学大学院医学系研究科 博士課程4年生(研究当時)
岩坪 威(東京大学大学院医学系研究科 脳神経医学専攻 神経病理学分野 教授)

アルツハイマー病(AD)は老年期の認知症として最も頻度の高い疾患です。AD患者の脳に特徴的な病理変化として、アミロイドβペプチド(Aβ)からなる老人斑(注1)があり、Aβの蓄積はAD発症の原因であると考えられています。近年、2型糖尿病がAD発症のリスクとなることが明らかになっています。特に、2型糖尿病の中心的な病態であるインスリン抵抗性(注2)がADの発症を促す可能性が予測されてきました。しかし、インスリンシグナルの変化とAβの蓄積との因果関係は未解明でした。

東京大学大学院医学系研究科の岩坪威教授らの研究グループは、脳にAβの蓄積を生じるADモデルマウスを用い、高脂肪食により誘発されたインスリン抵抗性と、インスリンシグナルの鍵分子であるIRS-2(注3)の欠損に伴うインスリン抵抗性による影響を比較、解析しました。その結果、インスリンの作用低下そのものではなく、インスリン抵抗性発症の要因となる代謝ストレスが、Aβの脳内の除去速度を低下させ、結果として蓄積を促進することを示しました。また、食事制限により、脳のAβ蓄積は可逆的に抑制できることを明らかにしました。

2型糖尿病がAD発症のリスクとなることは広く知られてきましたが、本研究はその背後にあるメカニズムの一端を解明し、未だ確立していないADの治療法創出に向け、新たな標的を明らかにしました。


本研究は日本医療研究開発機構(AMED)の脳科学研究戦略推進プログラム「新機軸アミロイド仮説に基づくアルツハイマー病の包括的治療開発」の支援を受け、東京大学医学部附属病院・門脇孝特任教授、窪田直人准教授らとの共同研究により行われ、4月12日にMolecular Neurodegeneration誌に発表されます。

(注1)老人斑
アルツハイマー病(AD)の脳に特徴的に認められるAβタンパク質が沈着してできる構造物。神経細胞から分泌されるAβは、正常な脳では分解・代謝され、低いレベルに保たれているが、ADの脳ではAβが凝集してアミロイド線維構造を形成し、老人斑(アミロイド斑)となって蓄積する。
(注2)インスリン抵抗性
インスリンは膵臓のβ細胞から分泌される、血糖降下作用を持つホルモンである。インスリン抵抗性は、インスリン感受性の臓器において、その作用が低下している状態を示す。高脂肪食の摂取や肥満、運動不足などの要因により、脂肪組織や肝臓、筋肉などの代謝に関与する臓器に慢性的な炎症やストレスが生じ、インスリンの細胞内へのシグナル伝達が阻害されることにより、抵抗性を発症すると考えられているが、脳におけるインスリン抵抗性については十分に分かっていなかった。
(注3)IRS-2
インスリン受容体基質2(insulin receptor substrate-2: IRS-2)は、活性化した細胞膜表面のインスリン受容体によりリン酸化を受け、細胞内にインスリンのシグナルを伝達する分子である。IRS-2を遺伝的に欠損したマウスは、インスリン抵抗性と膵臓のβ細胞の障害から、糖尿病を発症することが報告されている。

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上記を読むと:

脳内にアミロイドBという物質が溜まりすぎてアルツハイマー型認知症になる。
なぜアミロイドBが溜まるのか、というと脳内でのインスリンの働きが著しく低下しているから。

あっ!インスリンと言えば、「砂糖」を体内に入れるとそれを毎回片付ける為にインスリンを沢山使うんだった。ということは、アルツハイマー型認知症も「砂糖」が大きな原因のひとつにになっていることが十分仮定できる。


砂糖を摂取するとカルシウム(骨)を燃料にしてインスリンが作られる。そのインスリンは膵臓で作られる。ということは、ここまでで分かるのは、砂糖を食べると骨も悪くなり、膵臓も悪くなり、更に脳も悪くなるということか?


反対に、文中の「高脂肪食により誘発されたインスリン抵抗性」という文がどうも腑に落ちない。なぜここで「砂糖」という物質が記されず「高脂肪食」だけ記されるのであろうか?

 

謎だらけの砂糖だ。